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Service dev by digital

masashiokawa
October 22, 2020

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デジタルハリウッド大学大学院デジタルヘルスラボ講義

masashiokawa

October 22, 2020
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  1. 自己紹介 1 大川真史(おおかわまさし) 【社外活動/役職】 ⚫ 明治大学 サービス創新研究所 客員研究員 ⚫ 東京商工会議所

    ものづくり推進委員会 学識委員 兼 スマートものづくり推進事業専門家WG 座長 ⚫ 内閣府 SIPフィジカル空間デジタルデータ処理基盤 My-IoT開発PF ⚫ 総務省 情報通信分野の研究開発の在り方に係る調査 有識者 ⚫ Garage Sumida研究所 主席研究員 ⚫ 栃木県 IoT等専門家派遣事業 専門家 【コミュニティ】 エンタープライズIoTLT/ ヘルスケアIoTLT/ 鋳造IoTLT M5Stack ユーザーグループ 同人ハードウェア MeetUp D Empowerment Lab 【2019年情報発信実績】 ⚫ 講演(公的機関):34回(東京商工会議所、各地商工会議所、三重県、金沢大学、日本鋳造協会等) ⚫ 講演・ワークショップ(民間企業):9回(日立製作所、パナソニック等) ⚫ 主催コミュニティイベント:12回 約1,500名 ⚫ 執筆:「AI・IoT・データ活用総覧2019-2020」「最新マーケティングの教科書2020」(共に日経BP) ⚫ 寄稿/取材:Forbes Japan、パナソニック「GEMBA」、ばんぶう、各地商工会議所発行誌 ウイングアーク1st(株) UPDATA Report調査室 主席研究員 TIS(6年) → 三菱総合研究所(12年) → 現職(2年半) AI/IoT等デジタル化による社会・産業・企業構造転換 *IoTLT:日本最大のIoTコミュニティ。メンバー1万人以上。 週1回ペースでイベント開催。派生→分野別23、地域別16 *M5StackUG:いま世界中で最も多くの人が開発で使うデバイス。 月1以上で新製品・モジュール販売。M5StickC,M5SticV,ATOM,Core2等
  2. ポスト工業化社会(デジタルサービス化社会) 現在は、第4次産業革命と呼ばれる100年に1度の動力源の革命に留まらず、 18世紀から続く工業化社会から、ポスト工業 化社会(デジタルサービス化社会)への転換期と捉えることが出来る。 3 農耕社会 デジタルサービス 化社会 21世紀 20世紀

    19世紀 第1次 産業革命 • 動力獲得 • 蒸気機関 • 軽工業 第2次 産業革命 • 動力革新 • 石油・電力 • 重工業 第3次 産業革命 • 自動化・省力化 • 情報通信産業 第4次 産業革命 • 自律的な最適化 • クラウド/AI/IoT 工業化社会
  3. 工業化社会とデジタルサービス社会の違い 最適なユーザー体験提供が競争優位の源泉となり、重要成功要因は工業化社会と全く異なる。 インターネット前からの産業/企業とインターネット後の産業/企業と分類する事も出来る。 5 デジタルサービス社会 (インターネット後) 工業化社会 (インターネット前) 競争優位の源泉 リソース獲得

    役割分担 競争ポイント 提供価値 組織体制 UX=User eXperience(ユーザー経験) 技術 → 機能・製造 製造設備などリソースを集積 水平分業で標準化、管理高度化 QCD(品質・コスト・スピード)の競争 均質的・標準的な製品提供 組織内の役割を果たす ユーザーインサイト → UX 開発案件ごとリソースを集約 一人や少人数が中心となる 試行錯誤と一次データ獲得 最適なユーザー体験を提供 初期衝動起点でユーザーと繋がる
  4. サービスの価値決定要因から見たデジタルサービスの特徴 7 初回顧客認知 提供開始 狭義の 事前期待 広義の事前期待 施設、機械、環境 顧客の審査 提供サービス

    従業員の行動・姿勢 技術的な工程 顧客の行動・姿勢 サービス領域 の認知 競合他社との 比較 営業プロセス 固定観念 類似サービス領域 との比較 サービス領域 自体の評判 サービスの情報 提供プロセス 成果 品質 各種リレーションシップ サービスの評判 広義のUX 狭義のUX 提供終了 知覚する価値は事前期待・提供プロセス・成果品質で決まる 価値の決定要因 事前期待・提供プロセス・成果品質に関する活動が デジタルで行われ、デジタルで評価・改善している デジタルサービス の特徴
  5. 事前期待マネジメントの重要性 8 基本的 価値 差異化 価値 提供 プロセス ユーザーの認識 (評価)

    ✓ 感動的な ✓ 素晴らしい ✓ 自分のため ✓ マニュアル ✓ 当たり前 顧客 満足 (事前期待なし) 迷惑行為・ 余計なお世話 事前期待 潜在的な事前期待 状況で変化する 事前期待 個別的な事前期待 共通的な事前期待 出所:諏訪良武「顧客はサービスを買っている」(ダイヤモンド,2009)、小松原 聡「価値創造の経営学」(言視舎,2013)を参考に講演者作成
  6. 提供プロセスと成果品質とクオリティギャップ 9 出所:ジェームス・トゥボール「サービス・ストラテジー 」(ファーストプレス,2007)を参考に講演者作成 受容者の 想定期待価値 期待価値 設計サービス (期待価値) 内部事情

    (体制、予算、期間) 設計サービス サービス提供者 実際の提供 サービス サービスの 背景、解釈 提供サービス 実際の期待価値 知覚価値 サービス 品質 サ ー ビ ス 設 計 者 サ ー ビ ス 受 容 者 素早くサービス設計を修正する ギャップを正しく把握する 支払対価
  7. 「欲しい物は自分で作る」人たちに共通している事 18 • いまの欲求や困りごとをど うにかしたい(最高のUX) • 自分で日々痛感してる辛さ 初期衝動 • 現地・現場・現物が起点

    • 技術はブログや動画で勉強 • 現場で開発・試行・修正 方法 • 試行錯誤の結果、使わなく なる物も多い • 安く手軽なものを求める 必要なもの • 欲しい物を作るのが楽しく て、誰かが使うのが嬉しい • 想定外の出来事が楽しい 動機付け • 同じ辛さを痛感している同 業者への販売 • ユーザーのコミュニティ化 ビジネスモデル • 一連の業務もデータもひと つの基盤で扱える • 最適なユーザー体験を提供 プラットフォーム
  8. イノベーションパスとスコープ 0→1のフェーズと1→10、10→100のフェーズではやる事が大きく異なる。 まずは何も考えずに0→1に全身全霊をかけるべき。 21 分散した情報 創出 実現 拡大 0 アイデア

    1 市場投入 10 100 普及 ⚫ 一番重要 ⚫ プロトタイプ ⚫ まずここだけに集中 ⚫ Agileのスピード ⚫ 0→1が上手くいってから考える ⚫ 上手くいったら有象無象が集まる ⚫ 抜けて新たに0→1をはじめる人も ⚫ 自力で出来る事が少なく退屈かも 出所:横田幸信「INNOVATION PATH イノベーションパス」(日経BP)を参考に講演者作成
  9. 「どうやるか」は様々。やってみないとわからない 例:個室トイレの満室/空室をリアルタイム可視化する方法 24 【センサーの種類】 加速度センサー 赤外線人感センサー 超音波距離センサー ボタン(通電)センサー 照度センサー 磁気センサー

    赤外線放射温度センサー ・・・ 【給電方法】 100V常時給電 ボタン電池 自家発電(EnOcean) 【送信方法】 【設置方法】 【可視化の方法】 可視化ツール(BI) スマホアプリ通知 ウェアラブルデバイス ・・・ 【データ送信・登録頻度】 1分 1秒 1ミリ秒 【アクション】 予約する? 長時間アラート? デ ー タ を 作 る ・ 上 げ る デ ー タ を つ な げ る ・ 分 析 ・ 活 用
  10. 試行錯誤の検討ポイント例 身近なデジタル化の検討ポイントは多くあり最適解はひとつではない。 データ活用した判断結果から手段のフィードバック(見直し・改善)が発生する。 25 判断 する アク ション データを作る・ 上げる

    データをつなげ る データを分析す る データを見る・知らせる • データの種類 • データ取得頻度 • データの質 • データの信頼性 • 大量データの操作 • 欠損データの扱い • 解析アルゴリズム • データ送信先 • 送信方法・頻度 • データマージ基準 • UI(操作性) • リアルタイム必要性 • 同時表示データ種類 フィードバック フィードバック
  11. デジタルサービス/デジタル化に必要な機能 34 判断 する アク ション データを作る・ 上げる(IoT) データをつなげ る

    データを分析す る データを見る・知らせる センサー カメラ AI-OCR 音声・VUI 内部データ オープンデータ 無線近距離通信 クラウド ストレージ 表計算ソフト クラウドAI API ETL 可視化ツール チャット BOT SNS VUI フィードバック フィードバック フロントDB
  12. 活動のポイント:環境変化と課題の認識 「手段のフィードバック」と「成果のフィードバック」を回す 新しい技術などを使って「やってみた」結果、思いもよらない成果や想定外の効果が出てくる。それを前向きに受け止めて目的や 設定課題を見直す事が重要である。 35 ③どうやるか ④ 次に何を するか ②

    まず何を するか ① 何をどう したいか ⑤ やった結果 どうだったか 成果のフィードバック ⑥ 「どうしたい」 の見直し 判断 する アクション 作る・ 上げる つなげる 分析する 見る・知らせる 手段のフィードバック
  13. 必要な人材:3D人材 中心にエクストリームユーザーがいて、Director、UX Designer、Digital Engineerの機能が必要。分業/分担はダメ。 「90点50点50点」の人が3人(別分野で80点)であればギリギリ大丈夫。 38 【Digital Engineer】ツール等の事例収集と評価 ⚫幅広く情報を収集し自社導入の目利きができる ⚫自分で試作(プロトタイプ)を作ることができる

    【UX Designer】ユーザーインサイト獲得 ⚫現場観察や対話を通じてユーザーインサイトを獲得する ⚫本質的な「良さ」「便利さ」を探索することが得意 【Director】課題探索と優先度 ⚫ユーザーと共に探索した課題の中から優先度を決める ⚫社内外関係者との調整、ノイズキャンセリングが得意 出所:経済産業省「第4次産業革命クリエイティブ研究会」より作成 Extreme User Director Digital Engineer UX Designer
  14. エンジニアとデザイナーは宗教が違う 技術中心の視点・技術起点の発想ではデザインは難しく、アーキテクチャ・システムの思考をもつ人材が必要 39 工業化社会に必要な人材 DXで新たに必要となる人材 追求 先端技術の追求 人・社会の課題認識の追求 探索 解決策の探索

    課題の探索 指向 機能指向 感性指向 いいね! 高性能・多機能 使い易さ 職業 エンジニア、科学者 デザイナー、アーキテクト 形にする ソリューションを形にする アイデアを形にする 開発 ウォーターフォール/ゲート アジャイル/DevOps 出所:「イノベーション事業をデザインする」(i.lab)に加筆
  15. 方法論のシフト(流行) 40 出所:横田幸信「優れたアイデアを生み出すには? 」(ウイングアークフォーラム2019大阪) デザイン的なやり方 (デザイン思考、人間中心など) これまでのやり方 (工学/ロジカルシンキングなど) 顧客の価値= 性能、機能、効率など客観的なもの

    顧客の価値= 心地よさ、驚きなど主観的なもの 統計情報などの市場予測から 顕在化したニーズの傾向を把握 個人レベルで深く洞察することで 潜在的なニーズを発掘する 手順的なプロセス: 「正解がある」という前提 論理的に導き出せるか、 顧客や市場を分析すれば発見できる 探索的なプロセス: 「正解がない」という前提 プロトタイプをつくり、 顧客との対話を通じて最善解を探索する 出所:企業内技術士シンポジウム2016、配布資料「日立におけるデザインの役割の変化と課題〜“技術”と “人”の狭間で思うこと〜」(株式会社日立製作所 古谷純氏講演資料)を用いて横田作成 得意そうな人: エンジニア、ビジネス 得意そうな人: デザイナー、建築家
  16. ビジュアルプログラミング、ノンコーディング、ローコーディング ゴリゴリにコードを書かなくてもいいツール・アプリ、サポートなどが充実しているツール・アプリが出てきた。 デジタルサービス/デジタル化に必要な機能ごとに具体例を挙げる 42 データを作る • obniz • Tibbo-Pi •

    Webiot • M5Stack • M5StickC • M5StickV • brownie • MESH データ・機能を つなげる • enebular • Node-RED • UIFlow • Voiceflow • blynk サービスをつな げる • IFTTT • Integromat • Zapier • Microsoft Flow • Noodl • Scratch • GAS(?) データを分析す る • Asure MachineLearning Studio • GCP AutoML Vision • TensorFlow データを見る・ 知らせる • Ambient • LINE • Slack • MotionBoard • Tableau デバイス管理:Isaax、Zabbix