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キャリコンブリーフセラピー研修「SFAモデル」

PPi, LLC
August 06, 2021

 キャリコンブリーフセラピー研修「SFAモデル」

2021年に実施する「ビリーフセラピーでキャリコンの支援力アップ(基礎編)」の資料
第2回SFA(解決志向)モデル
YouTube: https://youtu.be/h1As0QoEkZU

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August 06, 2021
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Transcript

  1. 2 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 全7回の基礎コース 7月24日(土)

    MRI(悪循環)モデル 悪循環モデルの紹介と コミュニケーションの拘束 8月7日(土) 解決志向モデル 解決志向アプローチの概要と 核となるポイント 8月21日(土) 歴史と基礎理論 (システム論と社会構成主義) ブリーフセラピーの歴史と、システム論、 社会構成主義の考え方の解説 9月4日(土) ミラクルクエスチョン ミラクルクエッションの効果機序とコツ 9月18日(土) 逆説的介入 逆説的介入の効果機序とコツ 10月2日(土) リフレーミング リフレーミングの解説とコツ 10月16日(土) 実践応用 ブリーフセラピーの実事例への応用
  2. 3 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 自己紹介 元木敬太

    • 合同会社実践サイコロジー研究所・代表 • 修士(心理学)・博士(医学) • キャリアコンサルタント、公認心理師、臨床心理士 • 2010年より心理職として心理カウンセリングの実践を行っており、 2017年にキャリアコンサルタントを取得。学校や産業領域で、 メンタルヘルス、コーチング、キャリア開発に関連した実践と研究を行っている。 • 共著書・訳書: コーチング心理学概論(ナカニシヤ出版) ポジティブ心理学コーチングの実践(金剛出版)
  3. 4 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 本日の内容 1.

    ブリーフセラピー 2. 解決志向モデル 3. 解決志向面接の9ステップ 4. 関係性の見立てと対応 5. 演習とディスカッション
  4. 5 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] ブリーフセラピー システム思考で短期(効率的)に問題を解決することを目指す心理支援法

    • 2つの方向性 -問題に対する偽解決(解決努力)が悪循環をうむ -ユーモアを含む逆説的な介入は、悪循環を解くのに効果的 -解決像に意識を飛ばすことで、悪循環から逃れる -すべては最善の結果であり、必ず(問題の)例外がある 問題を維持している悪循環を解消する ソリューション(解決像)の構築を目指す
  5. 6 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] ブリーフセラピー システム思考で短期(効率的)に問題を解決することを目指す心理支援法

    • 2つの方向性 -問題に対する偽解決(解決努力)が悪循環をうむ -ユーモアを含む逆説的な介入は、悪循環を解くのに効果的 -解決像に意識を飛ばすことで、悪循環から逃れる -すべては最善の結果であり、必ず(問題の)例外がある 問題を維持している悪循環を解消する ソリューション(解決像)の構築を目指す 本日のテーマ!!
  6. 7 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 解決志向モデル(1) クライアントの資源や強みに着目しつつ、解決像を構築し、例外を増やし、

    スモールステップでクライアントの望む未来像の実現をサポートする。 • 資源や強みに着目:できないことではなく、できることに目を向ける。ポジティブで前向き • 解決像:望む未来のイメージ • 例外:問題が起きていないとき、すでに起こっている良い変化 • スモールステップ:できるだけ小さな変化を起こす(課題は Do more 中心)
  7. 8 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 解決志向モデル(2) •

    Brief Family Therapy Center(短期家族療法センター) アメリカのミルウォーキー(ウィスコンシン州) 「短期療法解決の鍵」(de Shazer, 1985; 小野(訳), 1994) ※「人間コミュニケーションの語用論」(Watzlawick et al, 1967; 尾川丈一(訳), 2007) 「ブリーフコーチング入門」(Insoo Kim Berg & Peter Szabo, 2005; 長谷川(訳), 2007) • 開発の経緯 介入一発狙いのブリーフセラピストへの反省 流派の乱立→あらゆる問題に対する統一解の探索=シンプル エリクソンの影響:水晶玉テクニック、利用 解決像(ビジョン)と例外、抵抗ではなくClなりの協調の仕方、問題を探さない
  8. 9 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 解決志向面接の9ステップ(1) 1.

    概要(年齢、性別、登場人物等)と主訴を聞く 2. どうなったらいいか?(いつ、どこで、誰が、何を、どうする)、それが実現したらどういい? 3. 2に向けて今日は何について話し合うといいか?(ブレインストーミング) 4. これまでの経過を聞く(簡単に) 改善→何がいいから改善しているか?他には? 停滞→何がいいから悪化していないか?他には? 悪化→そんな中、改善に向けて取り組めているのは、何がいいからか?他には? 5. 少しでもうまくいっていることは?問題が多少ましなことは?他には? 6. 活用できそうな資源は?(内的:スキル、コーピングなど、外的:関係者、施設、モノなど) 解決像の構築 例外の探索 例外の探索 資源の探索
  9. 10 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 解決志向面接の9ステップ(2) 7.

    目標が達成された状態を10点として、現在は何点? その点数を付けた理由は? 点数が0点でないのはどうして? ※点数が1点以上の場合 1点上がると今とどう違う?0.5点上がると今とどう違う? 8. ポジティブなフィードバック(ねぎらい、賞賛、尊敬、驚き、励まし…) 例:今日お話をうかがって…と思いました。 ※賞賛は上から目線にならないように注意 ※面接全体を通して常にポジティブな声がけはする 9. 課題の提案とその根拠の説明(Do more 課題と Do different 課題) 例:~は続けていくといいと思います。何かこれまでやっていないことを試してもらいたいのですが? スケーリング・クエスチョン コンプリメント ブリッジ&タスク
  10. 11 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 関係性の見立てと対応 種類

    状態 対応 ビジター しぶしぶ来訪。ニー ズや問題を表明し ない。解決への期 待を表明しない ほめる。ねぎらう。態度が悪いクライアントほどほめ る。なぜなら、嫌々でも来てくれたから。問題や解決 に向けた話はしない。雑談を楽しみ、興味関心を引 き出す。またよかったら会いに来てと伝えて帰す。 コンプレイナント ニーズや問題は表 明するが、他者に問 題があり、解決は他 者が変わること。単 に不満を言ってい るだけならビジター ほめる。ねぎらう。貴重な意見を言うためによく来て くれた。こちらからうかがうべきところですよね。要望 をよく聞く。例外の観察課題を出す(例:本当に状 況をよくわかっている。ぜひ、ちょっとでもましな部分 についても見つけてきてください)。 カスタマー 問題や解決が自分 事として語られる 通常のステップ。ほめる。ねぎらう。解決像について 話し合う。行動課題を出す。 ※あくまで関係性であって、個人の特性ではない。1回の面接の中でも変わる
  11. 12 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 演習:3人組のピアカウンセリング【80分間】 •

    面接順と役割(クライアント、カウンセラー、観察者)を決める【5分】2 • 1組15分間のピアカウンセリング(ロールではなく実際の困りごとの相談が望ましい) 【15分】13 • 振り返り【5分】3 • 役割を交代して繰り返す • 研修全体の振り返り【15分】5
  12. 13 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 振り返り(1) •

    傾聴だけではない、コンプリメント的な相づち 何がしたい?→~がしたい→いいですね!大事ですよね! • 「解決像」の話をたくさんする 楽しく過ごしたい→例えば?仮にそれができたとしたら? • 「解決像」の話をしているときは、そこに固執する Clはすぐ問題の話をする:できない→それがしたい。できたらどんないいことが? やってくれない→やってくれたとしたら? • 他には?をよくつかう:特に解決像の話、例外
  13. 14 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 振り返り(2) •

    「変わったら?」とはあまり言わない。「理想の未来像では?」 「変わったら」=「変わらないと理想の未来に行けない」≠「すでに変化は起きている」 • 解決像を聞くときは、How to よりも、思いの話中心 How to の話をするよりは、どうなるといいかという結果の話、それを実現したい理由、 それが実現したときの思いの話中心 • 面接は楽しくていい • 相手を殴りたい 殴れたらどういい?すっきりする→悪い方法でなく
  14. 15 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] まとめ •

    クライアントの資源や強みに着目 • 解決像の構築と例外の探索 • スモールステップの行動課題 • スティーブ・ドゥ・シェイザーとインスー・キム・バーグ • コンプリメント(賞賛、ねぎらい)をベースとした面接 • その時の関係性(カスタマー、コンプレイナント、ビジター)を見立てて、対応する • 解決強要には注意。進むかどうかを決めるのはクライアント
  15. 16 Practical Psychology Institute, LLC ® 2021 [email protected] 文献 引用文献

    • de Shazer, S. (1985). Key to solution in brief therapy. • Berg, I. K., & Szabo, P. (2005). Brief coaching for lasting solutions. WW Norton & Company.