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ICH Q8 Part1 医薬品の開発 (1)
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xjorv
September 14, 2020
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ICH Q8 Part1 医薬品の開発 (1)
ICH Q8は医薬品の開発に関するガイドラインです。CTD 3.2.P.2に記載する内容についての説明となっています。
xjorv
September 14, 2020
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Transcript
ICH Q8 Part1 医薬品の開発(1) 2020/9/7 Ver. 1.0
ガイドラインの目的 CTD 3.2.P.2に記載されるべき内容について • 科学的アプローチ、リスクマネジメントの適用 • 承認申請・ライフサイクルマネジメントからの知識 • 規制側への製品等の包括的な情報の提供 •
科学的に受け入れ可能な柔軟な規制 を目的とする
ガイドラインの対象 M4に記載のCTD Module 3、Section 3.2.P.2に記載すべきこと • 臨床研究中の医薬品は対象とはしない • 適用については規制当局と相談し決定する
CTD 3.2.P.2 品質に関するCTDのうち、開発に関するもの 6項目からなる • 医薬品のコンポーネント(名前、剤形、API、添加剤) • 製剤(製剤開発、増仕込*、物理化学・生物学的特徴) • 製造法開発
• 包装法(Container Closure system) • 微生物学的特性 • 溶媒・投与デバイスの適合性 *Overageの訳。間違いかもしれない
医薬品開発 品質・製造方法を設定し、医薬品に必要な要件を満たすこと • デザインスペース、規格、工程管理の設定 • 品質リスクマネジメントの考えを適用する • 品質は製品試験ではなく、デザインで作り上げる* • 処方や工程の変更でデザインを向上させる
*Quality by productではなく、Quality by Design(QbD)を重視する
デザインスペース(Design Space) 入力変数に対し、品質を保証できる多次元空間のこと • 処方特性・工程パラメータなどを入力変数とする • 品質を保証できる範囲を多次元で表す • デザインスペース内の変化は変更とはしない •
デザインスペース外の変化は変更申請を必要とする *ほぼ直訳ですが、これを読んでもほぼ意味がわからないので以下を参照してください https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/53/5/53_415/_pdf/-char/en
医薬品開発 • デザインスペースは申請者が提案し、規制当局が承認する • 3.2.P.2には製剤・工程開発の十分な情報を記載する • 品質に重要な事項を決定し、制御の方法を説明する
医薬品開発 • 処方の性質やその変動の影響を検証し、記載する • 工程や原料の広い知識を得るための内容を含んでもよい • 製品の広い知識がデザインスペースを生み出す
医薬品開発 • 柔軟な規制上のアプローチを取ることができる • リスクベースの規制の意思決定 • 承認されたデザインスペース内での製造法の改良 • 承認後の申請をへらす* •
出荷試験を減らし、リアルタイムの品質制御を行う *変更申請を指すと思われる • 柔軟性を高めるため、申請情報は多くする必要がある
医薬品開発 • 申請情報には実験デザイン、PAT*が有用 • 品質リスクマネジメントも検証に有効となる • 検証には科学的アプローチを取ることが重要 *Formal experimental designとProcess
analysis technologyのこと 前者は実験デザインを指し、後者は工程内分析を指す
製剤の構成成分: 有効成分 有効成分の性質が品質・製造・効能に大きな影響を及ぼす • 有効成分の物理化学・生物学的性質を抑えておく (溶解性・水分量・粒子径・結晶形・生理活性・膜透過性) • ICH Q6の記載などを参考とする •
有効成分と添加剤の相性を検証しておく
製剤の構成成分: 添加剤 添加剤の量・性質も品質・製造・効能に影響を及ぼす • 製造に使用するすべての添加剤を検証する • 添加剤間の相性を検証する • 添加剤の有効期限までの効果*1を検証する •
使用の理由や安全性はCTDの別の章*2に述べる *1: 抗酸化、膜透過性向上、崩壊性向上、溶出制御性など *2: 理由は3.2.P.5.6(製剤の規格)、安全性は3.2.P.4.6に記載する
製剤: 剤形・処方(Formulation)の開発 使用法・投与経路を含む開発情報の要約を記載する • 実験デザインを用いた検証が有用 • 初期コンセプトから最終処方までの過程*1を説明する • 添加剤の使用の範囲を説明する •
臨床安全・効能、生物利用性・同等性の結果を示す*2 *1: 有効成分・添加剤の性質、包装形態・投与デバイスなどの説明を含む *2: 製剤の臨床試験結果の要約を示すよう求められていると思われる
製剤: 剤形・処方(Formulation)の開発 • 臨床試験と製品の処方差を説明する • 物理科学的性質と臨床試験結果の対応性を説明する* • デザイン上の特徴を説明する *溶出(in vitro)とBioavailability(in
vivo)の相関など。承認後の臨床試験を減らす根拠として用いることができる
製剤: 増仕込(Overages) • 有効期限を伸ばすための増仕込は望ましくない • 増仕込の安全性・効能への影響を正当化する • 増仕込の量、理由の正当化が必要 有効成分・添加剤の処方量を多くしておくことを指す
製剤: 物理化学的・生物学的性質 安全性・効果・製造に与える影響を検証する • APIや処方成分の物理的特性を含む • 溶出/崩壊試験の選択、試験の選択理由など • ICH Q6AやQ6B(規格)を参考にする