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環境変化を乗り越える~ITサービスマネジメントのサバイバル戦略~

 環境変化を乗り越える~ITサービスマネジメントのサバイバル戦略~

イベント:第18期ITサービスマネジメント研究会
主催:公益社団法人企業情報化協会(IT協会) (https://jiit.or.jp/studygroupevent/18th_itsm/)
タイトル:環境変化を乗り越える~ITサービスマネジメントのサバイバル戦略~
講演者:広木共郷
講演概要:
ITサービスマネジメントが日本に紹介されてから20年が経過し、主にIT運用現場のプラクティスとして多くの組織で活用されてきました。一方で、ITサービスマネジメントを取り巻く環境はここ数年で大きく変化しており、その存在意義を見つめ直す時期が来ています。
本講演では、変化する環境下において、ITサービスマネジメントが継続的に価値を提供していくためのオプション(選択肢)と実践に向けたヒントを提示したいと思います。

IT VALUE EXPERTS

April 27, 2024
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Transcript

  1. 2 株式会社IT VALUE EXPERTS概要 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 2

    ITサービスマネジメントをコアとした専門コンサルティング会社 企業向け コンサルティング サービス 実務者向け ネットワーキング サービス 一般向け インサイト提供 サービス 主要サービス 事業概要 オンライン 情報提供・相談 サービス ITに関わる組織と人財の能力を最大限に引き出し、企業の情報活用力を飛躍的に引き上げる ミッション Ex pert No w
  2. 3 デジタル ケイパビリティ IT・デジタルによる価値創出につながる、ケイパビリティ構築を推進するコンサルティングサービスを提供。 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. チェンジ

    マネジメント研修 ソーシング& サービス・ インテグレーション IT/ソフトウェア 資産管理 サービス・ インテリジェンス デジタル運営モデル 構築 ITサービス オファリング 推進 ITバリュー・ ブリッジ ITビジネス・ マネジメント セキュリティ リスク・ マネジメント CSV対応 ITサービス・ マネジメント IT ケイパビリティ トランス フォーメーション・ ケイパビリティ IT・デジタルに よる価値創出 コンサルティングサービスメニュー
  3. 4 ITSMツールの活用状況を診断するサービス「IVE ValueScan for ITSM Tool」はポイントを絞った簡易な Web診断で、回答後すぐに診断レポートが入手できます。 ©️ IT VALUE

    EXPERTS Inc. 新サービスのご紹介 ITSMツールを導入 (もしくは更改) すべきか? ITSMツールの活用 レベルを上げるに はどうすべきか? ITSMツールを活用して 顧客への価値を向上するに はどうすべきか? ↓診断はこちら↓
  4. 6 本日の内容 ITサービスマネジメントのサバイバル戦略 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 注:本講演における「ITサービスマネジメント」は、組織・個人両方を含んだ概念です。 テーマ

    • ITサービスマネジメントを取り巻く環境は? • ITサービスマネジメントが生き残る(サバイバルし ていく)ためのオプションとは? • 組織として、個人として採用すべきオプションは? 論点
  5. 8 環境変化:VUCAな世界 Volatility – 変動性 Uncertainty – 不確実性 Complexity –

    複雑性 Ambiguity – 曖昧性 VUCA 技術的要因 政治的要因 経済的要因 社会的要因 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc.
  6. 9 環境変化:成長のドライバーとしてのテクノロジー 指数関数的成長 (エクスポネンシャル) 突然死 線形的成長 GAFAMの時価総額、 東証1部超え 560兆円に (日本経済新聞

    2020年5月9日) “デジタル・ディスラプター” “Amazon Effect” ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. テクノロジーの活用が 生死を分ける
  7. 10 環境変化:想像を超えるAIの進化 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 過去15年で起こった 代表的な テクノロジーの進化

    を10個挙げて 過去15年間にはさまざまな技術の進展があります。 以下に、その中で代表的な10の進化を挙げてみます。 1. スマートフォンの普及と進化 2. クラウドコンピューティングの普及 3. ビッグデータとデータ分析の進展 4. IoTの発展 5. 人工知能(AI)と機械学習の進化 6. ブロックチェーン技術の登場 7. バーチャルリアリティ(VR)と拡張現実(AR)の進化 8. 自動運転技術の進展 9. バイオテクノロジーとゲノム編集の進歩 10. 再生可能エネルギー技術の進化 これらの技術の進化は、様々な分野で大きな変革をも たらし、私たちの生活やビジネスのあり方を根本的に 変えています。
  8. 12 環境変化:ITサービスマネジメントへの影響 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 管理対象 コンポーネント数 取り扱うデータ

    (種別・量) セキュリティ イベント・脅威 変更・リリース数 サービス要求数 利用する 外部サービス数 関与する ベンダー数 ユーザ体験の 要求レベル 法規制対応要件 ビジネスのITへの依存が進み、ITサービスマネジメントへの要求はこれまでになく高まっている。
  9. 14 ITIL®の進化 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. ITSMのベストプラクティス・フレームワークであるITIL®も過去3回にわたってバージョンアップ。 1989年 ITIL®(v1)

    2001年 ITIL®v2 2007年 ITIL®v3 2024年 (現在) 2019年 ITIL4 どこまで時代の変化をキャッチアップできていたか??? • サービス サポート • サービス デリバリ • サービス ライフサ イクル • サービス バリュー システム
  10. 15 ITIL®の現状 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 15年前と比較してみると・・・ マーケット 認知度

    ナレッジ 活用 資格取得者 コミュニティ • 「ITIL案件」? • デジタル人材? • DXで果たす役割? Down • コア書籍の日本語 化遅延 • アクセス性の低下 Down • 資格体系の複雑化 • 資格費用高騰 • バージョンアップ の価値? Down • 各国のitSMF支部/ 会員数の減少 • 交流の場の減少 Down
  11. 19 ITSMサバイバルマトリクス ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. ケイパビリティ ス コ

    ー プ 既存(運用) 既 存 (IT) 新 規 (IT 外) 新規(運用以外) IT×運用 IT×運用以外 IT以外×運用以外 IT以外×運用
  12. 20 とりうる戦略オプション ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 既存(IT)×既存(運用)の象限を開始点として、とりうる戦略オプションを整理。 ©️ IT

    VALUE EXPERTS Inc. ケイパビリティ ス コ ー プ 既存(運用) 既 存 (IT) 新 規 (IT 外) 新規(運用以外) 開始点 深化 統合 越境 展開 深化: 既存のIT運用領域を先進的なテクノロジーや プラクティスを用いて高度化する 展開: IT運用領域で培ったケイパビリティや サービスをIT以外の組織に適用する 統合: 開発と運用のプロセスを統合し、 ITが提供する価値の流れを最適化する 越境: テクノロジー知見と培ったケイパリビリティ を武器に、企業のDXを推進する
  13. 21 参考:守・破・離でいうと? ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. ケイパビリティ ス コ

    ー プ 既存(運用) 既 存 (IT) 新 規 (IT 外) 新規(運用以外) 深化 統合 越境 展開 守 破 破 離
  14. 22 プラクティス テクノロジー 戦略オプションの紹介 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. オプション選択の参考として、それぞれの戦略について活用できるプラクティス/テクノロジー、

    ビジネスへの提供価値、価値創出のために越えるべき壁の3つの観点から紹介。 提供価値 活用できるプラクティス/テクノロジー 越えるべき壁 「ビジネス貢献フレームワーク」(※)の6つの 観点からビジネスに提供する価値を整理。 戦略オプションごとに活用できる プラクティス/テクノロジーを例示。 ※次ページ参照。 顧客満足 法規制遵守 支出抑制 売上創出 リスク低減 コスト削減 文化 知識 経験 マインド 組織
  15. 24 戦略オプション①深化 - 既存(IT)×既存(運用) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 提供価値

    活用できるプラクティス/テクノロジー 越えるべき壁 目的 既存のIT運用領域を先進的なテクノロジーやプラクティスを用いて高度化する 顧客満足 法規制遵守 支出抑制 売上創出 リスク低減 コスト削減 深化 統合 越境 展開 プラクティス テクノロジー XLA Observ ability VSM (Lean) SRE AI Ops 生成AI BPM ツール パフォー マンス 監視ツール (APM) 文化 知識 経験 マインド 組織
  16. 25 戦略オプション①深化 - 既存(IT)×既存(運用) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化

    統合 越境 展開 https://youtu.be/Hrtj0kI10vw?si=r2cCCJXPbbVD-MVh ITSM組織によるSRE取り組み事例: やってみようハイベロシティIT ~SREを本気でやって みた~ ITSM Japan Summit 2023講演 ITSMとObservability: データを活用したIT運用の変革って何なのか? ~ITSM Japan Summit 2023講演 https://youtu.be/IvOvIwqNwkM?si=ozDozGVdD_imuhvf
  17. 26 戦略オプション②展開 - 新規(IT以外)×既存(運用) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化

    統合 越境 展開 提供価値 活用できるプラクティス/テクノロジー 越えるべき壁 目的 IT運用領域で培ったケイパビリティやサービスをIT以外の組織に適用する 顧客満足 法規制遵守 支出抑制 売上創出 リスク低減 コスト削減 プラクティス テクノロジー ESM SIAM ITIL4 AI Ops ITSM ツール ローコード 開発ツール 文化 知識 経験 マインド 組織 KCS
  18. 27 参考:代表的なITSMツールのESM機能(例) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化 統合 越境

    展開 対象業務(部門) ServiceNow Jira Service Management 人事 HR Service Delivery HRサービス管理 法務 Legal Service Delivery 法務サービス管理 調達/購買 Sourcing and Procurement Operations Third-party Risk Management - カスタマーサポート Customer Service Management カスタマーサービス管理 フィールドサービス Field Service Management - セキュリティ Security Operations - 監査 Governance, Risk, Compliance - 財務・経理 Account Payable Operations 財務サービス管理 総務 - 施設サービス管理 マーケティング - マーケティングサービス管理 営業 - セールスサービス管理 デザイン - デザインサービス管理 参考:https://www.servicenow.com/jp/products-by-category.html https://support.atlassian.com/ja/jira-service-management-cloud/docs/what-are-the-project-templates/
  19. 28 戦略オプション③統合 -既存(IT)×新規(運用以外) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化 統合

    越境 展開 提供価値 活用できるプラクティス/テクノロジー 越えるべき壁 目的 開発と運用のプロセスを統合し、ITが提供する価値の流れを最適化する 顧客満足 法規制遵守 支出抑制 売上創出 リスク低減 コスト削減 プラクティス テクノロジー DevOps IaC CI/CD VSM (Lean) CI/CD ツール コンテナ オーケスト レーション ツール 構成管理 ツール モニタリング ツール 文化 知識 経験 マインド 組織
  20. 29 参考:DevOpsの開始点としてのVSM ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化 統合 越境

    展開 ITSM組織のDevOpsの開始点としてValue Stream Mappingは推奨される一つの手法である。 特定の業務プロセスにおける、 分析実施推奨プロセス: • 変更管理プロセス • システム開発プロセス(全体)
  21. 30 戦略オプション④越境 -新規(IT以外)×新規(運用以外) ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 深化 統合

    越境 展開 提供価値 活用できるプラクティス/テクノロジー 越えるべき壁 目的 テクノロジー知見と培ったケイパリビリティを武器に、企業のDXを推進する 顧客満足 法規制遵守 支出抑制 売上創出 リスク低減 コスト削減 プラクティス テクノロジー VeriSM SIAM ITIL4 DPBoK IoT AI Cloud 他多数 文化 知識 経験 マインド 組織
  22. 31 参考:IoTデータ活用サービス運用設計支援事例 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 基 盤 設

    計 サ ー ビ ス 設 計 サービス構想 サービス 詳細設計 サービス 設計:顧客分析 サービス設計: 提供価値分析 サービス運用設計 サービス 基盤設計 標準化方針検討 ビジネス構想 サービス マネジメント ガイドライン アーキテク チャー モデル 管理 ツール類 カスタマー・ ジャーニーマップ バリュープロポジ ションキャンバス サービス設計: ビジネスモデル 検討 ビジネスモデル・ キャンバス 組織機能 マッピング資料 サービス 管理指標 サプライヤ 検討 ロケーション (施設)検討 プロセス検討 組織・役割 検討 管理システム検討 情報システム 検討 オペレーティング モデル・ キャンバス システム利用 ガイドライン アーキテクチャ 設計方針検討 機能マッピング 管理システム 一覧 運用体制 プラクティス 4つの側面 プラクティス バリューストリーム マッピング 4つの側面 プラクティス SVS, SVC 従うべき原則 マネジメント メッシュ IT4IT 出所:IT VALUE EXPERTS 複数のプラクティスを活用してIoTデータを活用した新サービスの運用設計を支援。 深化 統合 越境 展開
  23. 32 とりうる戦略オプション ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. ©️ IT VALUE

    EXPERTS Inc. ケイパビリティ ス コ ー プ 既存(運用) 既 存 (IT) 新 規 (IT 外) 新規(運用以外) 開始点 深化 統合 越境 展開 深化: 既存のIT運用領域を先進的なテクノロジーや プラクティスを用いて高度化する 展開: IT運用領域で培ったケイパビリティや サービスをIT以外の組織に適用する 統合: 開発と運用のプロセスを統合し、 ITが提供する価値の流れを最適化する 越境: テクノロジー知見と培ったケイパリビリティ を武器に、企業のDXを推進する
  24. 33 オプション選択のヒント ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 組織 個人 組織、個人それぞれが、オプション選択にあたって考慮すべき事項は以下の通り。

    全方位の対応は困難であるため、以下の 観点で最適なオプションを選択し、 リソースを集中していくことを推奨。 • どこで貢献が求められているか? • どこで価値が出せるか? • 想定される壁を越えられるか? 興味のあるプラクティスもしくはテクノ ロジーにフォーカスして専門性を高め、 現場で適用していくことを推奨。 • プラクティス:自身の(目指す)役割に 応じてプラクティスを選択 • テクノロジー:ITSMツールの新機能 を掘り下げるのも有益 次のアクション: ITSMサバイバルマトリクスを 使ってチームでオプションを 議論する 次のアクション: 戦略オプションを参考に、 フォーカスするプラクティス/ テクノロジーを決める
  25. 35 まとめ ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. • ITサービスマネジメントを取り巻く環境は大きく変化 •

    ITサービスマネジメントはサバイバルを考えるべき時期 • 生き残っていくための戦略オプションは4つある • 自組織と自身の状況に合わせてオプションを選択すべき
  26. 37 EOF 37 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 株式会社IT VALUE

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