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covid19

minamizaki
December 28, 2020

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  1. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University とある自治体からの問い合わせ(4月3日) 2 

    高速バス・貸切バスが大幅減少は指摘されていたけど、 地域内の公共交通の現状は話はほとんどない。  自粛要請はするけれど、具体的な国や自治体からの支 援策は聞こえてこない。  自治体が支援をしたくても、何をすれば良いのかが分か らない。 直接聞かないは 何故なのか︖
  2. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 交通事業者支援の要望書(下書き) 4 https://drive.google.com/open?id=19R47ljlwweriRjzl5m5pSYaEL8OMBnSxlDlZ_Zi09Eg

     事業者連絡会で得られた情報を基に、国・自治 体に対する要望を  運行のための支援  事業維持のための支援  短期的に必要な支援と長期的な必要な支援に 分けて整理  事業者は日々変わる状況に対応するので精一 杯。そのまま使える下書きを作成  「金をくれ」ではなく「公共交通の必要性」を中 立的な表現で記載 地域の事情に合わせて改変し活用
  3. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 要望をまとめていて気が付いた3つの視点 5 2.必要な運行の合意形成

     医療・インフラ・食料品店などに必要不可欠な移動  高齢者・障がい者などの移送 1.現場の安全確保  変化し続ける状況下での運行の継続  乗客の安全に加えて、運転手も安心できる環境づくり 3.経営維持のための資金手当て  運行補助だけでなく、キャッシュフローを踏まえた支援  感染防止や周知・広報など新たにかかるコストの負担
  4. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University くらしの⾜をなくさない︕緊急フォーラムの開催 6 4/24:1,000人が登録(5300再生)

     現状の整理、当面の危機をどう乗り切るか議論  提言「社会崩壊を招く『交通崩壊』を防ごう!」を作成し、 国土交通大臣に提出、業界団体から賛同 5/29:820人が登録(5000再生)  感染防止策、事業者支援策を中心に議論  主体別行動マトリックス「withコロナ環境での『おでかけ の足』確保に向けた枠組」を公表 https://zenkokuforum.jimdofree.com/ ゴールデンウイークの前に、千人がオンラインで参加した公共交通機関 の会議があったんですね、御覧になったかどうか分かりませんが。四時 間以上だったと思います。僕も全部見させてもらいましたけど、実に真 摯な議論がされていて、何百の意見が出て、全部の意見に目を通しまし た。そういった声をしっかり聞いていただきたいというふうに思います。
  5. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University コロナ下で求められた情報発信 7 誰も体験をしたことのない事態(過去の蓄積がない)

    日々変わっていく状況(情報はすぐに陳腐化) 時間をかけて整理された情報より、即時性のある情報 新たな情報に対して、能動的・網羅的に収集された情報 網羅的ではあるけれど、原典まで遡った正確な情報
  6. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 感染防止策掲載のテンプレートを作成 9 

    公共交通の利用が不安視される中、様々な取り組みをやっているはずなのにアピールができていない  事業者の取り組みだけではできない、利用者へのお願い事項が示されていない  そもそも日々の運行を維持するだけで精一杯 50社の取組みを網羅的に調査し、最⼤公約数でテンプレートを作成
  7. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 分かりやすく伝えるためのポスター 10 https://covid19transit.jp/prevention/poster-2/

    原案:福本雅之(おでかけカンパニー)、デザイン:武末出美(早稲田大学アカデミックソリューション) 交通事業者の 取り組みを紹介 利用者への 協⼒を依頼
  8. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University ポスターの使用例 11 プノンペン市営バス

    長崎県営バス 協会(7) 北海道バス協会、群馬県バス協会、愛知県バス協会、岐阜県バス 協会、三重県バス協会、静岡県バス協会、名古屋市タクシー協会 自治体(6) 沼津市、中津川市、佐久市、深川市、札幌市、呉市 交通事業者 (34) 十勝バス(北海道)、北海道拓殖バス(北海道)、永井バス(群馬県)、 東洋バス(千葉県)、京王バス(東京都)、小田急バス(東京都)、京 成バス(東京都)、東急バス(東京都)、東京空港交通(東京都)、カ ミコウバス(神奈川県)、北陸鉄道(石川県)、信南交通(長野県)、 アルピコ交通(長野県)、長電バス(長野県)、濃飛バス(岐阜県)、 岐阜バス(岐阜県)、伊豆箱根バス(静岡県)、浜松バス(静岡県)、 名鉄バス(愛知県)、佐久島渡船(愛知県)、津エアポートライン(三 重県)、湖国バス(滋賀県)、京都市営バス(京都府)、阪急バス(大 阪府)、大阪シティバス(大阪府)全但バス(兵庫県)、みなと交通 (兵庫県)、神姫バス(兵庫県)、オール観光バス(兵庫県)、両備バ ス(岡山県)、備北交通(広島県)、伊予鉄バス(愛媛県)、長崎県営 バス(長崎県)、九州産交バス(熊本県)、プノンペン市営バス(カン ボジア) コミバス (5) 武蔵野市ムーバス、豊田市おいでんバス、西尾市六万石くるりん バス、菰野町コミュニティバス その他(3) バスタ新宿、福井路面電車とまちづくりの会、 南信州地域交通問 題協議会 岐阜バス
  9. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 支援理由別の支援数 13 都道府県

    市町村 0 100 200 300 400 500 600 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 感染防止 事業継続 利用促進 0 20 40 60 80 100 120 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 感染防止 事業継続 利用促進  都道府県  6,9月の定例議会により成立しているものが多く初動が遅かった。  支援理由は感染防止の補助が多いが、同一自治体で複数理由の事業を同時に実施している事例が多い。  市町村  4月末にから徐々に増加し、臨時議会での議決や専決処分により実際されているものも多い。  全体としては、事業支援の割合が多いが、7月以降は利用促進を目的としたものも増えている。  同一自治体で感染防止→事業継続→利用促進と理由を変えながら継続的な支援を実施している事例もある。 44自治体(93.6%) 110事業 407自治体(23.4%) 518事業
  10. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 交通モード別の支援数 14 都道府県

    市町村  当初(3-4月)は貸切バスを対象としたものが多いかったが、徐々に乗合バスの支援に対象が移行  普段は公共交通(?)となりがちなタクシーへの支援数が多い。  福祉輸送や高速バスなどを「対象外」とした事例が多い。  地域鉄道など地域間幹線バスなど市町村を渡った協調補助の事例がある。 0 200 400 600 800 1000 1200 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 タクシー 乗合バス 貸切バス 地域鉄道 旅客船 0 50 100 150 200 250 300 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 タクシー 乗合バス 貸切バス 地域鉄道 旅客船
  11. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 利用促進の事例 15 プレミア乗車券の販売

    貸切バス借上げの補助 移動困難者への利用補助  タクシー券やバス回数券の販売に際し て割り増し分を補助  例)500円×6枚のタクシー券を 2500円で販売(プレミア率20%)  事前にタクシー券を買い上げて配布or 利用者の事後申請による補助  移動そのものを避けるために、買い物 代行やデリバリーにも利用可能(尾花 沢市など)  従来から行われていた移動支援に上 乗せして実施(実施自治体多数)  貸切バスの借上げ費用の一部を利用 者側に補助  例)市内の観光に利用すための貸切バ ス50000円/日の費用の1/2を補助  プレミア率は20%から100%、∞(無料) まで様々  事業者をからの直接販売の他にクラウ ドファンディングを用いた販売例(つく ば市など)  キャッシュレス決済時にポイント還元 (福山市など)  県2/3、市1/6の協調補助により実質5/6 補助(島根県)  密回避のために使用車両の大型化に 上乗せ補助(徳島県など)  観光業への支援のために、観光地への 立ち寄りを条件化(実施自治体多数)  高齢者・障がい者、妊婦、学生など交通 弱者への利用補助  例)密を避けて移動する必要が人へタ クシー券を10000円分配布
  12. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 事業継続のための面的支援 16 路線バスへの広域支援

    (大井町、山北町、松田町) 東三河地域での広域支援  地域間幹線と運行するバス事業者に対して、 沿線の3町が案分して支援の実施  鉄道・バス・タクシーの沿線自治体が連携するこ とで支援の実施
  13. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 感染防止のための面的支援 17 感染拡大防止ガイドラインの策定普及(北海道)

     北海道が支援し各業界団体ごとに感染防止策 の策定、ガイドラインの普及啓発まで含めて支 援  交通事業者はガイドラインを遵守すると給付金 安全・安心啓発ポスター(三重県)  三重県内の鉄道・バス・タクシーにおいて共通的 に利用できるポスターを配布  共通的なポスターとすることで、どこにいっても 「あのポスター」ということで認知度を高める
  14. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 支援数と実施率 18 0.0%

    10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 北海道 ⻘森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 ⻑野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 ⻑崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 支援数 実施割合  都道府県別の市町村数をベースとした実施率の差異は極めて大きい。  実施率の高い茨城県や長崎県などでは、実施時期の早く、複数の事業を実施している事例も多い。  隣がやってるからやる、隣がやってないからやらないというのは妄想ではない。
  15. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 自治体との調整への活用 19 隣の自治体はやってないよね

    しばらく様子を見ようよ (だからやらない) 路線が隣の自治体まで行くから うちだけじゃできない (調整する気はない) 日々追加される情報を毎日更新 「やっている」事例を示す 沿線自治体での協調補助  松浦鉄道(2県4市2町)  東三河地域(5市1町)  万葉線(2市) など 国や都道府県の補助があるでしょ あとは自分たちで何とかしてよ (つまりやりたくない) 理解のない自治体の言葉 情報を持って立ち向かう (いい意味での)地⽅自治体の横並び感を利用する 必要な支援は変わっていきます 現場に合わせた継続的支援
  16. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 情報発信による支援 20 南信州地域交通問題協議会

    沼津市 ⾦銭を伴わなくても、必要な情報をまとめて発信することも有効な支援
  17. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 交通崩壊を防ぐための緊急アピール 21 6/16

    長野県南信州広域連合「南信州地域交通問題協議会」 6/19 三重県松阪市「地域公共交通協議会」 6/24 岐阜県中津川市「公共交通会議」 6/25 三重県鳥羽市「地域公共交通会議」 6/29 愛知県田原市「地域公共交通会議」 6/29 兵庫県加西市「公共交通活性化協議会」 7/10 三重県伊勢市「伊勢地域公共交通会議」 7/10 愛知県東浦町「地域公共交通会議」 7/22 岐阜県白川町・東白川村「地域公共交通活性化協議会」 7/26 三重県南伊勢町「地域公共交通会議」 7/29 神奈川県大井町「地域公共交通会議」 7/31 兵庫県西宮市「都市交通会議」 8/07 三重県菰野町「地域公共交通会議」 8/17 三重県志摩市「地域公共交通会議」 8/19 岐阜県高山市「公共交通活性化協議会」 8/19 岐阜県飛騨市「公共交通会議」 8/26 兵庫県加東市「地域公共交通活性化協議会」 市⺠に公共交通の現状を伝え 何ができるかをアピール
  18. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 関係性の再構築と役割の再確認 22 普段は面倒なことが多いけど

    関係性を再構築するきっかけ 自治体担当者と交通事業者の連携が 取れているところほど的確な支援が実施された 交通事業者にお願い どうやらコロナ前に戻らなそう 公共交通に対する役割の再確認 自治体にお願い 新しい時代の持続可能な公共交通を一緒につくりましょう
  19. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 目に⾒える崩壊は始まっている 23 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200513/k10012428721000.html

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200520/k10012437331000.html  コロナに収入減により、経営破 綻する事業者が発生  元々赤字の事業者が多かった、 地方の交通事業者にとっては最 後の止め  感染リスクの高い運転業務を家 族に止められるような事象も 当たり前だと思っていた 地域の⾜が突然消滅
  20. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University ⾒えない交通崩壊も始まっている 24 https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20200811561236.html

     地域の大手バス事業者でも、これまで内部 補助で支えられていた不採算路線の撤退  従来通りの利用促進の施策だけで、今回の 影響を乗り越えることは困難  これまでの補助対象となっていなかった、 自主運行路線も危険  次のダイヤ改正こそ崩壊が待っている 国・自治体(含む広域連携)からの 継続的かつ⼤規模な支援が不可⽋
  21. Research Institute of Electric-driven Vehicles, WASEDA University 交通崩壊を防ぐための3+1つのシフト 25 減収による休止・減便ではなく、負荷平準化による輸送資源の再配分

    利用者数 運行時間帯  コロナの影響はピーク時では回復してきたが、オフ ピーク時は減少したまま  交通事業者はピーク時の需要に合わせて、車両・運 転手を確保しなければならない ① テレワークへのシフトに よりピーク量を減らす ② 時差通勤によりピーク時 間をシフト ④ 混雑情報の活用により他の 需要(飲食店等)へのシフト 公共交通マーケティング研究会オンライン例会 福本雅之(おでかけカンパニー)講演資料に加筆・修正 ③ 定額運賃や時間帯別運賃等の活用 により自動車利用からのシフト